自分では一生懸命に考えたテーマのはずなのに、先生に評価されるのは他の子の、どう考えても中学生の知識ではできないような、つまり知識のある大人の手を借りたことが明らかなものであったりして、世の中の不公平を感じた。学校では、やり方を教えずに自由にやれ、といって高度な課題をだす。すると、出された方は、先生がやり方を教えてくれないのなら、身近な年長者に頼らざるを得ない。ここで、その身近な年長者がたまたま技術系の仕事をしているなどで非常に知識があった場合には、その子は運がいいのか悪いのか、自前の知識だけで勝負する我々とは、はじめから勝負にならない。
学問の世界にも、テーマの決めかたからレポート、論文の書き方、実験の記録の残し方などの、研究を行う上での作法がある。私が初めてこの作法に触れたのは大学3年で、実験のレポートを記述するのに必要で教わったのだった。そのまとめ
そしてそのとき、自分はこれまでなんてもったいないことをしてきたんだろう。長年かけて蓄積された学問のルールには、それなりの合理性がある。なのに高校までの先生は、自由課題を出すときに、そのルールについては一言も触れなかった。これではそのルールを知っている者勝ち、もしくはそのルールを教えてくれる人が身近にいる者勝ちになってしまう。
そこで、今さらながら、正しい学問の世界のルールを知った状態で、自由研究のテーマを考えてみる。
テーマ=目的 と言い換えてもいい。
例1 算数、数学
電卓とパソコン、辞書を使わずに円周率をできるだけ正確に計算する
割と小学生から高校生まで使えるテーマだと思う。難易度は年齢に合わせて変化する。
もっとも簡単な方法は円に内接する正六角形の作図だろう。これで円周率は3より大きいことはわかった。4より小さいことを知るためには何が必要だろうか。
図形を描いて求めるのなら三角比表があると便利。たいてい高校の数学の教科書についてる。
答えが円周率になる無限級数から収束の早いものを選んで計算する(高3レベル)。たぶんこれが一番精度が高い。
別に、作図した円に沿って濡れた糸を置いてその長さを図っても構わない。
円周率が余裕なら、楕円の円周と短軸、長軸半径の関係、球の体積、表面積と半径の比、楕円体の体積、表面積などをできるだけ高精度に求める方法でも考えるといい。
例2 理科、図工
牛乳パック一枚と防水テープとはさみを使い、できるだけ多く水をためられる容器をつくる。
はかりで重さを計測し、からの状態のパックの重さを引けば水の量が分かる。普通に牛乳パックの形なら、1リットルと少し入る。これをどこまで増やせるか。例3 社会
歴代総理大臣を格付け。
外交、経済、思想、人格、福祉などの教科ごとに、歴代総理を採点。総合点の高い順に格付け。 採点基準は明示すること。 *全員やるのが難しいなら、在職2年以上に限るなど選抜メンバーで行う。
別に総理でなくても構わない。例えば歴代征夷大将軍から主な功績のある人を数人選んできてやってもいい。
例4 音楽、保健体育
音の周波数が分かるアプリで、自分や友達の声の高さ低さを計測。
話し声と歌声では違うのか。一番高い声と一番低い声との差はどれくらいか。大勢調査すれば、男子が変声期であることがわかる。「先生、男子が声出してくれません」出せないんじゃなく出さないんだということを教えてあげてください。
例5 社会
歴史のIFを空想してみる
「歴史にIFは禁物」とは、某トリオ芸人的には「歴史のIFを考えよう」ぐらいの意味だろう。
「太平洋戦争のなかった世界の日本」とか。
・天皇陛下は未だに大元帥
・戦略原子力空母「あかぎ」「かが」「しょうかく」「ずいかく」就役中
・男子には2年の兵役義務
・台湾、朝鮮、樺太、千島が日本領
・北千島が要塞化
・「民政党」「政友会」の保守2大政党
・内務官僚が超エリート
・軍人の地位は医師や弁護士を凌ぐ
・国連安保理常任理事国は米英日仏露
・日英同盟復活
・「大和」が現役
「もしソ連が崩壊していなかったら」とか
例7 社会
安倍総理の次の総理大臣・自民党総裁を予想する。
数人候補を挙げてそれぞれの取りそうな政策とその結果まで予測すれば面白そう。
例8 社会
20年後の日本を予想
名前が変わるもの 自衛隊→国防軍 あと何があるかな。某政党とか。
GDP成長率、インフレ率、失業率、人口、消費税率、、、なんでも予想してみる。
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