2015年3月18日水曜日

レポートの書き方



日本の教育の改善すべき点の一つに、物事のやり方を教えずにやらせている、ということがあると思います。


例えば夏休みの自由研究などの課題が出されたときに、先生はレポートの書き方についてはほとんど教えてくれません。私も、ちゃんとしたレポートが書けるようになったのは大学3年でやった実験のおかげで、それまでは正しい書き方を知りませんでした。そんなレポートの書き方について考えてみます。


レポートは、序論、本論、結論の順に3段構成で書かれるのが基本です。起承転結ではいけません。そもそも起承転結というのはもともとが漢詩の書き方であり、プロの物書きが使う難易度の高い構成です。しかも、転という展開は科学的な文章には不要です。序論と本論は、まっすぐに結論をさししめしているのが良いレポートというものです。


序論


初めに書くのが序論です。序論の目的は、そのレポートが何のために存在するのかを明らかにすることです。一般的に、論文の価値を決めるのは序論であるとされています。どんなに画期的な研究をしても、序論の書き方が下手では、誰にもその論文を読んでもらうことができず、したがって、正当な評価を受けることもできなくなってしまいます。くれぐれも序論は慎重に言葉を選んで書きましょう。


序論の内容としては、背景と動機が挙げられます。そのレポートの研究が何のために必要であるのかを、この二つを使って説明していきます。

背景


その研究を行う分野の現在の状況を述べ、その研究によって新しく分かると予想できることを説明します。過去に行われた類似の研究(=先行研究)があればいくつか挙げ、本論で述べる研究との関係を説明します。

動機


その研究を行うに至った経緯を書きます。なぜいまその研究を行う必要があるのかを、その研究によって新しく理解できる、または可能になると期待されることを挙げて説明します。

本論


序論の次は本論です。どのような研究をしたのかを説明する部分になります。内容としては、目的、方法、結果、考察の順に書きます。

目的



箇条書きで簡潔に、その実験の目的をまとめます。複数ある場合には順番に番号を付けます。

方法


方法は、料理のレシピに当たる部分です。あまり詳しく描写する必要はありませんが、ある程度の知識のある人が読んで、その研究を再現できる程度の情報は載せておくのが一般的です。

結果


目的と同様に、箇条書きで簡潔に、実験の結果をまとめます。目的の項目に記載した目的と1対1対応させて書きます。目的が複数ある場合には、結果も複数に分けて書き、番号も目的の項目と対応させ、例えば、結果1=目的1に対する結果、結果2=目的2に対する結果、という風に書きます。

考察


考察は、割と自由に書いて良い部分です。自分の考えたことを体系的にまとめて書いておきます。研究が成功した場合には、うまく言った理由、研究が失敗した場合には、失敗した理由を書きます。一般的に、学問上の大発見はたいてい失敗した研究に対する考察がきっかけであるようです。


結論



最後が結論です。考察に書いたことをもとに、その研究で新しく分かったことをまとめて書きます。学生の書くレポートであれば、その内容は間違っていてもいいので、自分の考えをうまく言葉にしてまとめておくと、評価を受けやすくなります。


以上が私の考える良いレポートの書き方です。


0 件のコメント:

コメントを投稿