2015年12月5日土曜日
株式会社 インタープリズム 二次選考
昨日12/4(金)、インタープリズムという会社の2次選考へ行ってきました。
一次選考が筆記試験であったのに対して、2次選考は面接でした。面接官は社長さんのようでした。
いくつかの質問をされましたが、答えるのがむつかしかったのは、「今まで勉強してきたことの中から題材を一つ選んでホワイトボードを使って説明せよ」というものでした。ホワイトボードは2枚あり、時間制限などはありませんでした。
物理で勉強したことといっても、大学院でやったことといえば、自分の研究と、論文を読むこと(これで他人の研究を理解する)の2つしかありません。実験物理系の大学院というのは、研究をするところだったのです。
だがらと言って研究の内容をそのまま講義すれば、自分のやってきた研究は例えば炭素の2次元結晶の表面に付着する荷電不純物の数を減らすための創意工夫なので、こればもう物理ではなく工学です。
では大学の講義を再現すれば良かったのかもしれませんが、何分時間がたっていたことと(現在25歳)、大学院で実験をやっていたので、すでに記憶が定かではなく、事前情報もなかったので、まとまった物理概説のような講義をその場で新しく組み立てるのは困難でした。
結局私は、大学院で研究対象としていた炭素の2次元結晶について講義をしました。以下はその内容です。
炭素は次世代半導体の材料として期待されていることから始め、その理由を3点ほど上げます(低環境負荷:燃やすとCO2しか残らない 超薄膜結晶:つみあげることで小型高性能化 低電気抵抗:トランジスタの周波数向上)
歴史的には最近、この超薄膜結晶が実在することが発見され(2004年)、2011年には発見者がノーベル賞を取ったことを言いました。授賞理由としては、原子1個分の厚さの超薄膜結晶はエネルギー的に不安定で存在できないという長年の常識を覆したことによるものです。
どうやって半導体に使う細長回路のような形にするのかというと、ベンゼン環を多数持つ平面上の化学物質を200度程度に加熱して金の上に蒸着します。するとこの化学物質は重合(くっつきあって)して、細長いリボン上の構造物ができます。
ここで、数式は使わないのかという質問があったので、結晶の安定性を調べるのには、エネルギー的な安定性を調べますと答えました。結晶内のすべての原子について、ほかの原子との間に働く力の和が0になれば、その物質は存在できることになります。
$F=m\frac{d^2r}{dt^2}$ の両辺に $m\frac{dr}{dt}$ を掛けて両辺をtで不定積分します。
$\int F \frac{dr}{dt} dt = \int m\frac{dr}{dt}\frac{d^2r}{dt^2} dt$
$\int F dr = \frac{1}{2}m(\frac{dr}{dt})^2$
この右辺は運動エネルギーです。ということは、左辺もエネルギーです。
Fをすべて合計して0になるか調べる代わりに、左辺のエネルギーを合計して極小になるところを調べます。極小になるところでFの合計は0になり、物質は安定な状態を維持できます。
講義終わり
反省点
相対論の講義ができるかと言われて、特殊のほうなら何とかと答えたが、実際の私の専門は量子力学と縁が深い。量子力学は太陽が光る理由を説明するのに必要となるなど、身近に例を挙げて説明できたし、微分演算子をもちいる方法と行列を用いる方法も、同時に別の人物がそれぞれ同じ実験事実から構築したものという説明もできた。
トランジスタの動作原理について、不勉強のため、なぜ電流を流す必要があるのかという問いに答えられず、専門外と言って逃げてしまった。半導体について講義するならその動作原理くらいは理解しておくべきだった。
炭素の元素周期表上の位置を間違えていた。電子配置の共通性から炭素とシリコンは同じ族に属するものと思い込んでいたが、現実には炭素は4族でシリコンは14族だった。
講義のあと、一次選考の答案を出してきてどのように考えたのか教えてくれと言われたので、推測を交えながら、その答えをその場で考えて導いていきました。
プログラムには不慣れであり、覚えていない関数などもあったのですが、何とか最後まで答えをこじつけで出せました。私が考えている間、面接官も無言でこちらを見ているので緊張しました。答えがあっているかは教えてくれませんでした。
それから志望動機や将来設計を聞かれ、いずれも自分の成長を目的としたい旨を伝えました。
最後に質問はと聞かれたので、論理的思考力とコミュニケーション能力以外に必要な能力は何かをお聞きしました。車輪の再発明のような無駄な手間を省くための知識が重要だというお答えでした。
帰るときに傘を忘れそうになって、一度建物を出てから慌てて面接室へ傘を取りに戻りました。ワークスアプリケーションズの人事から留守電が入っていたので折り返し電話しましたが、担当の方が不在でした。帰りの新幹線に乗ってすぐにデッキで再度電話を掛けましたが、また不在でした。電話を掛けるために乗ってすぐにデッキへでていたせいで、東京から名古屋まで座れませんでした。
12/10追記
不採用通知を頂きました。やはりプログラムの問題の解説が間違っていたのだと思います。未経験の既卒者を対象にしておいてコードの知識を求めるのもどうかと思いますが。
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